君の隣でクリスマスを祝う
今から数ヵ月前、私はある作家の担当に抜擢された。
甘く艶やかな恋愛小説を得意とする人で、若い女の子達に人気の作家だ。
名を『日向 薫』という。
あまり表舞台に出たがらないのが功を奏したのか、日向は謎めいた作家として、今大変な話題になっている。
そんな人気作家の担当に私を、と言われて正直驚いた。
他にも仕事を幾つか抱えていたけれど、私は上からのお伺いにも二つ返事で頷いた。
間違いなく、これはチャンスだ。
都内の大学を卒業し、幸運にも大手の出版社に就職できて今年で七年目。去年ようやく、念願の文芸誌の編集部に配属された。
そろそろ周囲にも一目置かれる仕事がしたい。
密やかに一人闘志を燃やしていた私だったけれど、日向に出会って、完璧に出端を挫かれた。
甘く艶やかな恋愛小説を得意とする人で、若い女の子達に人気の作家だ。
名を『日向 薫』という。
あまり表舞台に出たがらないのが功を奏したのか、日向は謎めいた作家として、今大変な話題になっている。
そんな人気作家の担当に私を、と言われて正直驚いた。
他にも仕事を幾つか抱えていたけれど、私は上からのお伺いにも二つ返事で頷いた。
間違いなく、これはチャンスだ。
都内の大学を卒業し、幸運にも大手の出版社に就職できて今年で七年目。去年ようやく、念願の文芸誌の編集部に配属された。
そろそろ周囲にも一目置かれる仕事がしたい。
密やかに一人闘志を燃やしていた私だったけれど、日向に出会って、完璧に出端を挫かれた。