君の隣でクリスマスを祝う
 昼食を終え、日向の車に乗り街を出た。

 高速に乗って、ひたすら北へと向かう。


「それにしても、彼からよく休みがもらえたね」

 彼とは編集長のことだろう。一癖も二癖もある編集長と日向は意外に馬が合うらしく、時折一緒に飲みに出るらしい。編集長の性格はよくわかっているはずだ。

「はい。先生の書下ろしと引き換えに、ですが」

「また? 彼も懲りないなあ」

「すみません」

 それくらいいいんだよと、視線は前方を捉えたまま、日向は片手で私の髪を撫でた。


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