かすみ草の恋 番外編
男が立ち去ると表情をフッと緩めた
礼二様……


いやぁ〜ん!


礼二様素敵でした!!


私の事を俺の女だなんて……


もう私恥ずかしいです!!


でもどこまでも
あなたについてゆきますわっ!!


私は礼二様の方へ一歩……


はじめの一歩ですわね(笑)


踏み出したと思ったら……


礼二様は私に背を向けると
絶世の美女改め、橘さんの方へ
一直線に進み


橘さんをギューッと抱き締めた。


え?

ええ?

ええええっ??


そして、私が未だかつて見た事の無い
優しくて穏やかな笑顔で橘さんを
包み込んだ。


「ミカ…大丈夫??
なんかされてない??」


さっきの地獄の底からの声とは
打って変わって
それはそれは優しい声で聞くと


「レ レイジ〜…!!ありがとう!!
本当は凄く怖かったよ〜!!!」


橘さんも礼二様の背中に腕を回すと
胸に顔を埋めている。


そんな橘さんを愛おしそうに
抱き締めて背中をさする礼二様。


映画のワンシーンのように美しい


戻ってきたB子とC子
周辺で固唾を飲んで見ていた人たち
みんながその美しい光景を
ぽかーんとして見ている。


周囲の視線も気にせずに礼二様は


「何があった??」
と優しく優しく橘さんに聞くと


「この子があの人に絡まれてたから…
見て見ぬフリなんか出来ないよ!
助けなくっちゃ!って足が勝手に動いちゃって…でもね、本当は怖かった。」


すると、初めて礼二様が私を
チラッと見た。


一瞬だけど、初めて初めて
目が合った瞬間!!


いやーん。


すぐ逸らされたけどね………


「そっかぁ、ミカ頑張ったんだ…
でも心配だから、何かあったらまず俺にメールでもしてから行動に起こしてよ?
ミカに何かあったら俺…………
壊れちゃうから……(笑)」


と言って、礼二様は橘さんに
これでもかってくらいの優しい笑顔で
微笑みながら小さい子をあやすように
頭を優しく撫でた。


キャーーーー!


もう私死んでもいい……


橘さんは礼二様の愛しいお人
でしたのね……


橘さんになら礼二様を
託しますわ……


こんな素敵な笑顔を見せて頂いて
ありがとうですわっ!!


運良くその笑顔を見れた子は
バタンバタン倒れた。


私もこのまま天国へ上れそう(笑)


無表情でムスッとしている顔も
最高に素敵なのに


笑った顔はもう礼二様〜!!


私が壊れちゃいますぅ〜!
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