かすみ草の恋 番外編
自宅へ帰ると昨日と同じ場所で
同じように珈琲を啜っていた母さん。


俺は支度をしながら母さんに
事情を話すと


「話は大体わかったわ…
アンタかなり美味しい役回りだけど
ミカちゃんがいない間
生きた屍みたいだったもんね…
でもまぁ、私は礼二には大切な女の子をきちんと守れるだけのスキルは
お金かけて身に付けさせたつもりよっ!
しっかりミカちゃんを守りなさいよ!」


と、男勝りな母さんの激励を受け
俺は自宅を後にした。


家を出て、駅までの道を歩いてると


ダーダーダーダダ

ダダダーダーダー


俺の携帯が鳴った
ダースベーダーの着信音だ
相手は1人しかいない。


「はい…」


「礼二?!」


「まぁそうなるよね?
これ俺の携帯だし……」


「ミカが帰ってきたの知ってる?」


「ああ、昨日からミカと暮らしてる」


「ええー!いいなぁ〜!!
じゃ、なかった!!なら良かった。
心配してたんだからねっ!!」


「そうなの?サンキュ…
姉貴は身体は?順調なの?」




「まぁね(笑)
それよりも、アンタ!!
しっかりしないとだわよ!!
ミカはもう昔みたいに顔を隠しては
歩かない!!!私達だけじゃなく
どんな人にでもハッキリ顔が
見えちゃうんだからねっ!!!
人前でも良くあの顔で笑うし…
向こうで大分ポジティブに考えさせられるようになったらしいの!!
ミカがそういうふうに変われたのは
嬉しいんだけど……
性格は相変わらず無自覚で他人優先のお人好しのままだから
超超心配なの!!!
しっかり捕まえててあげてね!!!!
ミカを守ってあげてねっ!!!!!!
お願いね!じゃ、またねっ!ばーい!」

ガチャ

まくしたてるように言い切ると
電話はプツリと切られた。


普段なら弟の俺には絶対頭なんか下げないのにミカの事となると姉貴はどんな事でもする……


姉貴…ご忠告感謝します!

サンキュ…姉貴。
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