シュガーポット
抜けても、抜けられない....?
「それ、どういう....」
「教えられない。」
私が聞こうとした瞬間、それは柚木さんに
よって遮られた。
「神桜に入っていなかったあなたたちには
教えられない。和珠と京によろしくね。」
力強い眼差し。
「はい....」
私達はそれしか言えなかった。
柚木さんの瞳が、不安で、戸惑いで、そし
て深い悲しみで揺れているように見えたか
ら。
「ありがとう....」
柚木さんはそういい、微笑むとショウたち
を引き連れて病室を出ていった。
しばらくしてバイクの音が響き、遠ざかっ
ていく。
私と恵梨奈は不安を感じた。
そして───
本当に、起きてしまった。