泥酔彼女

暫く様子を見てみたが、どうやら直ぐに吐く感じではないようだ。
俺は一つ息を吐き、とりあえず水を持ってくる事にした。

勝手に冷蔵庫を開けたら、ミネラルウォーターのボトルが見付かる。
何気に野菜なんかもあるから、ちゃんと自炊してんだな。大トラの癖に。

ペットボトルを片手にベッド脇に戻ると。


スヤア……。


あーーー、そうでした。俺はこいつに、男だと思われてないんでした。

あまりにも無防備に爆睡する沢村を前に、俺は額に手を当てて立ち尽くした。
頭痛がするのは気の所為か。気の所為じゃないな、うん。

彼女がどう思っていようと、俺だって男なんだ。
据え膳食い散らかしたい狼なんですよ。

今、俺の理性が試されている。

これは一体何の罰ゲームなんでしょうか神様……。





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