泥酔彼女
唐突にも思える承諾に、視線を戻した私は呆気に取られて彼を見上げて。
そうしている間に月島は、手にしたペットボトルを自分でぐっと煽った。
綺麗な喉仏が晒されて、私は束の間、その色気のあるラインに目を奪われる。
けれど次の瞬間には。
彼の整った顔が私に覆い被さり、唇を重ねられていた。
強引に口を抉じ開けられて、生温い水を口腔に流し込まれる。
「んっ!? んんっ? ……んぅ、……!」
そうか、口移ししてくれてるんだ、とは気付いたけれど。
つうかこれは、紛れもなく口付けだ。キスでベーゼで接吻で口吸いだ。
だって水を流し込んでも彼は去らずに、頬を斜めに傾けて一層咬合を深め、私の舌を探して絡め取ってくる。
酔いに濁った頭は却ってこの刺激を甘く感じ取るようで、私はフライパンの上のバターのように身体が蕩けていきそうになった。
うっとりと眸を伏して、ただ彼を感じ取る事だけに集中する。
思い上がりでなければ、この瞬間、彼も同じ気持ちで居てくれたと思う。