泥酔彼女


「…お前、そーやってずっと黙ってりゃ可愛いのに」

「…! し、喋ると可愛くなくて悪うございましたね…!」

「断ったよ」

「は?」

「秘書課の砂糖菓子の告白。胸やけしそうだから断った」

「……」


沢村は黙り込んだが、安堵したように肩の力が抜けたのが分かる。

俺はと言えば、どうにも込み上げてくる笑いを堪えられそうにない。


「やきもちはもっと可愛く妬け」

「月島くんのばかぁん」

「その裏声はやめとけ。超音波で仲間呼ぶな」

「後で百人の沢村が月島の御宅にお邪魔します」

「下僕は百人も要らねぇよ。…つか、お前やっぱり黙っとけ」

「誰が下僕、…ふ、……ッ」


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