泥酔彼女



月島のキスってすごくしつこい!

確かに私だって酔うとキス魔になるけど。
気分良くなって課長とか先輩とかに迫って月島に羽交い絞めにされたけど。

ほっぺにちゅ、とかのあの程度のキスは、子供だましなのだと痛感した。

唇が離れるかと思うとまた啄んできて、また舌が濃く絡む。
右に左に頬を傾けて深く噛み合い、口腔を探られるキス。

お酒より何より私を酩酊させて、心ごと絡め取られてしまいそうだ。

この営業部のホープは、こんないやらしいキス技まで隠し持っていたのか。
恐るべし月島。

彼の顔を捉えていたつもりの私の両手はいつの間にか下がり、スーツの襟元を握って、縋り付いていた。

私の膝が震えているのを見越したのか、月島の手がさりげなく背に回り、私を抱いて支えてくれている。

永遠にも一瞬にも思える時間が終わる頃には、私は軽く呼吸を乱して、グロスがすっかり舐め取られた唇を淡く開き、息を喘がせていた。

こんなにすごいなんて聞いてない。

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