泥酔彼女
俺は月島遥。沢村の同期であり、同僚でソウルメイトだ。
少なくとも俺はそう思っている。
いや、出来ればそれ以上の関係に昇格したいとも。
初めて沢村に出会ったのは入社式。
最初はただ、こいつ笑うと頬にえくぼできるんだなーという事に気付いて、凹みに指突っ込んだら怒るかな、なんて興味を惹かれただけだった。
その後一緒に営業部へ配属される事になり、同期という事もあって話す機会も増えて、その内にこいつは大人しい顔をして真面目な癖に、案外面白い奴だと気付いたから、自然と仲良くなっていった。
最初の契約を取った時は互いにお祝いしたし、同じ職場だから、仕事の愚痴だって遠慮なく言い合える。
食べ物や映画の趣味なんかも合ってよくつるむようになり、時には休日に一緒に出掛けたりもする。
沢村と一緒に居るのは楽だ。
正直、俺は自分がそれなりにモテる自覚はある。
だがあいつだけは他の女のように媚びた態度は取らないし、れいのえくぼを浮かべて笑う時は、本当に心からそうしたい時だけだと分かる。