俺様彼女
なんなんだこの女は。
そんなことを考えていると、隣の男が声をかけてきた。
「三木は俺様だから、見た目にだまされない方がいいよ」
「あんたは…?」
「星野和真」
ほしのかず?
「よ、よろしく…」
「うん」
黒縁眼鏡に栗色の髪の毛。クールそうな感じのやつだ。
「ちょっと和真くん!あんた川辺にいらんこと言ってないか?」
「三木には気をつけろって言ったけど」
「なんだよ気をつけろって!」
三木、男言葉と顔のギャップが素晴らしい。
「川辺!貴様は今日から私の下僕だっ!!」
「お断りします…」
元気に五メートルほど先から指を指して叫んだ三木はぶすっとした顔をしてこちらへ寄ってくる。
なんなんだこの女は!
和真を見るとふっと鼻で笑ってケータイをいじり始めた。