プリンセスになりませう!?
プリンセス誕生!?
「私、今日から入っているチャリティパーティは欠席するわ
明日からの年内予定していたのは全部、葵に行ってもらうから」
そのつもりでと、肩が見える艶やかなブルーのドレス姿で腕を組み
ライトブラウンにカラーリングした長い髪をなびかせながら
愛華様が振り返った。
「全く、何もかも予定が狂ってしまったわ」
イラつきを含む溜息を吐きながら
ドレスに合わせたアイスグレーのカラーコンタクトの瞳も
いつもより彼女を冷淡に見える。
「葵は小さいころプリンセスに憧れていたわよね?
クリスマスだもの、真似事ぐ・ら・い・はさせてあげるわ
だけどそのダサいメガネは外しなさいよ
どう、嬉しいでしょ? 私に感謝いたしなさい」
意図を掴めず声の出ない私を見て愛華さまが
いつもの意地悪気に目を細め、言い放ち喉を鳴らして笑う。
彼女の命令ともいえる高圧的な態度は幼い時から変わらない。
ここはマンハッタンにある最高級ホテルのスイートルーム。
その部屋にはリビングにダイニング、2ベットルームに書斎まであり
豪華な空間には素晴らしい柄のペルシャ絨毯が広がり
クリスタルのシャンデリアが眩く輝く
厳選されたデザイナーズ家具に
漆黒に光る見事なグランドピアノが中央に存在感を出し
広いベランダにはプールにジャグジーまで設置されて
初めて日本から出た葵にとっては現実離れした世界