プリンセスになりませう!?
「日本のくだらない仕事より私を優先させなさい
良いじゃないの
葵みたいな役立たずがいなくっても誰も困らないもの
あら、もうこんな時間だわ
セスナの後は客船旅行に誘われているの
エーゲ海よ そこにレオ様が行かれると噂を聞いたから」
葵を無能ように言うと時計を見て忙しく支度をし出す
その様子の愛華を見て葵も焦りを隠せない。
まだここの部屋に来てほんの数分。
状況すら上手く呑み込めていないのにこのまま
把握できないままだと絶対に上手くいかない。
嫌だ、もう帰りたい…愛華様に弱音を吐いてしまいたい。
だけどその言葉はグッと飲みこむ。
そんなことをして愛華様の激震に触れれば解雇になるかもしれない
本当は葵は解雇になるのは別にかまわない。
20歳になった今は九条家を出て自ら自立をしたいと思っている。
もちろん今までの恩はあるし、感謝もしている。
だけど自分が責任を持ってしたい仕事は愛華様の世話じゃない。
しかし葵の責任はすべて九条家に身も心もすべて授けている祖母マサ子の責任にもなる。
マサ子夫が若くして亡くなり、その後の生活はとり付かれたように九条家につくし確たる地位を九条家で得た。
そのお局たる地位のマサ子は九条家の繁栄の為に生きていると言っても過言ではない。
その為にマサ子はいずれば九条家の関係者と葵を結婚させようと影で動いてさえしている。