陽のあたる場所へ

「何を‥おっしゃってるんですか‥?」

しどろもどろになりながら聞き返す。

「何か時々エロい目して俺のこと見てるよね?」

「そんなことっ!」


そりゃ時々、自分には見せないような顔をしていれば、つい見てしまう事はあったけど、それは物珍しさに近い感情で…。
まるで意識などしてないつもりだったけど、そんなふうに見えていたとは…
顔が紅潮して行くのが自分でよくわかった。


しかし、いくら何でもこんな失礼な言い方…
いつも仕事しか眼中にないように見える龍司の言葉とは思えず、それが沙織を更に動揺させた。


これってセクハラ…?
それに自意識過剰だと言ってもいい。

いや、でも、彼にそんなふうに思われていたとは想像もしていなくて、顔から火が出そうな気持ちになり、返す言葉が見つからなかった。

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