陽のあたる場所へ
「そんなに好きなら、CDに焼いてあげますよ」
「え~?ホントに?龍司くん、最高!」
絢音さんは、抱きつくようにして俺の背中をバンバンと叩いて、すぐに離れた。
…心臓に悪い…
かなり動揺しながらも俺は冷静さを保つ振りをして、その後も、音楽の話、世間話などを絢音さんと楽しくしていた。
暫くして、ふと、会話が途切れた。
絢音さんが何か言いたげに、俺を真っ直ぐに見ていた。
意味ありげなその沈黙に堪えきれず、俺は視線を逸らし、立ち上がる。
「今度は他のをかけようか…。何か聴きたいのあります?」
CDラックからいくつかのアルバムを選び出し、振り返った時、不意に、俺の胸に絢音さんが飛び込んで来た。
その弾みで持っていたCDが 床に転がった。
驚いて、身を捩って後ずさりしようとする俺の背中に、彼女は手を回してシャツの背中をギュッと掴んだ。