陽のあたる場所へ
「そう…そうだよね…」
そう言った絢音さんの儚げな顔が俯いて、長めの前髪が目元を隠した。
その前髪に光る粒が落ちたような気がした。
それを目にした途端、衝動に突き動かされた俺は、彼女を抱きしめていた。
「俺…本当はずっと好きだった。もう、ずっと前から‥」
絢音さんは一瞬驚いたように身を竦めたが、すぐに抱き返して来た。
熱っぽい瞳で見つめられ、頑なに守って来た理性はいとも簡単に打ち砕かれる。
求められるままにキスをして、俺はそれに溺れて行った。
縺れ合いながら、絢音さんがベッドの方に俺の身体を押しやる。
俺は逃げ場を失い、絢音さんの身体を抱いたままの状態で背中からベッドに倒れ込んだ。
さすがに、いきなりこれはマズイと思い、彼女を押しのけようとしたが、だんだん熱烈になって行くキスに溺れた末に、彼女の身体の感触を自分の上に感じて、俺はもう完全にブレーキが効かない状態になった。
そして…ついに一線を越えてしまった。