陽のあたる場所へ


「俺、こっちの大学来て良かったわ。龍司とまた会えてさ。
でも、実は、こっち来たら連絡して会いに行こうと思ってたんだ。
ま、いつ連絡しようかとか、したところで、素っ気なくあしらわれたら傷つくな…とか、躊躇してる間に半年経っちまって、偶然会ったんだけどな」

「そうだったんだ…。俺も実は〝翔平、今どうしてんのかな?〟なんてよく考えたりしてた。
だから、またこんなふうに仲良くなれて嬉しかったよ。でも…」

「ん?…でも?」

「ごめんな…。いろいろ心配かけたし、迷惑もかけた。翔平が居なかったら、今頃どうなってたか見当もつかない。お前には一方的に助けて貰うばかりだった」

「そんなことねぇよ。俺、ガキの頃、小さくて女の子みたいだってからかわれて、苛められることもあってさ、よく龍司に守って貰ってた。ま、その恩返しだと思っとけよ」

「そうだっけ?けど、いつの間にか俺よりデカくなりやがって…」


最後だというのに、気の利いた言葉も出ないまま、ただ笑顔を交わし合った。

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