陽のあたる場所へ


別に、この時期を狙っていた訳ではない。

社長の椅子が欲しかった訳でもない。



必死になってここまで昇り詰めて来たのに…

父や母が、
犠牲にしたもの、
守りたかったもの、

それらの意味が、結局 何もわからなかった。



それに苛立って、ただ漠然と、何もかもひっくり返してやりたい衝動に駆られた。





そして俺は、重役会議で解任要求を突きつけ、父を社長の座から引き摺り降ろしたのだ。

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