陽のあたる場所へ
まるで暗闇を飲み込むように、新しい朝が訪れていた。
沙織が少し身体を起こしながら、厚いカーテンを開けると、レース越しに射し込む眩しい光が、龍司の瞼を照らした。
龍司がゆっくりと瞼を開けると、柔らかな光に包まれた沙織の笑顔がそこにあった。
眠りにつく前、沙織が肩に顔を埋めながら、耳元でそっと言ってくれた言葉が、頭の中でリフレインする。
「貴方は、もう貴方を許してあげて…」
…長い夜が、やっと明けたんだな…
龍司は心の底でそう呟くと、沙織の髪の中に手を滑り込ませ、そっと抱き寄せた。