陽のあたる場所へ
翌週、龍司と沙織は、海の見える高台にある病院に来ていた。
ここへ来る前には、その近くにある霊園で、龍司の母の墓前に手を合わせて来た。
「少しでもお父さんの近くに居たいから」
と、生前に既に土地を購入していたことも、母の葬儀の後にわかったらしい。
「ごめん、二週に渡って付き合わせて…」
「ううん…。私も一緒に来たかったから…」
そう…
ここへ来なければ、龍司の辛く長かった旅は終わらない。
沙織は、どうしても龍司の隣にいて、それを見届けたかったのだ。