陽のあたる場所へ
宙を泳ぐような状態になっていた両足を、折り畳むように机の上に乗せられ、パンプスが片方、床に転がり落ちた。
そして、沙織の表情を見ながら、ゆっくり侵入して来る。
沙織は首を振りながら喘いだ。
「あんた、声大きいよ」
龍司はそう窘めると、片手で沙織の口を塞ぎながら、もう片方の手でネクタイを緩めた。
そんな仕種にさえ、身体が震える。
沙織の喘ぎ声がミュートされると、龍司の動きは徐々に加速して行く。
快感の波に揉みくちゃにされ、溺れながら、沙織は薄く目を見開いて龍司を見た。
長めの前髪がゆらゆらと揺れ、その隙間から眉間に皺を寄せて快感に耐える表情が見えた。
その反面、まるで怒りや憎しみの感情を、乱暴にぶつけているかのような、そんな哀しみが見え隠れするような気がしてしまう。
そんな姿が堪らなく感じ、沙織は龍司の腰に両脚を絡めた。
宙を蹴った弾みで、もう一つのパンプスも脱げて床に転がり落ちた。