陽のあたる場所へ


「柳川先生には、俺からもちゃんと話しただろ?
海野は、休職中の田辺さん…だっけ?その人が復帰する予定の3ヶ月だけの繋ぎだから、先月迄になりますって。
俺が来る前からそういう約束だったんだろ?」

「そうなんですよ。結局、田辺さん、退職しちゃったんで、担当は僕に替わりますって言ってんのに、納得してくれなくて」

「この前は、『わかりました』って言ってたぞ」

「仕方なく言ったらしいんですよ。本音はどうしても海野さんに続けて欲しかったみたいなんです。先生、酔っぱらってるから、もうゴネちゃって大変で…」

「そんなこと言われてもなぁ。海野は今抱えてるだけで精一杯だろ。て言うか、たいして有能でもないのに、何で海野がいいんだか」

「海野先輩、明るいし、癒し系じゃないですか。彼女に励まされるとやる気になるって、作家の先生方も、うちの社員達も結構言ってますよ」

「へ~?…あいつがか?」

「社長、海野さんのこと、叱ってばかりですからね。海野さんも最近、調子良くないみたいだし。社長と相性悪いんですかね」

吉沢がそう言って笑う。


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