陽のあたる場所へ
「海野がダメダメなのは、俺のせいか?」
「そうは言ってませんけど。
あ~!こんなこと言ってる場合じゃないんですよ。
柳川先生、海野さんに担当続けるか、一晩付き合うか、どっちか選べとか、迫り出しちゃって…。
まぁ、自分でも何言ってるかわかんない状態なんでしょうけど。
僕が家に送ろうと言っても、テコでも動かない感じで」
「はぁ?セクハラスケベオヤジか!」
「わざと飲んで、酔いに任せて言いたいこと言ってるんですかね。
だから、社長から説得して下さいよ。僕みたいな下っ端の言うことは、聞く耳持たないんですって」
「わかった。今から行くから。俺が行くまで何とか繋いでろ」
龍司は会社の前の表通りに出ると、空車のタクシーを探しながら苦笑していた。
「セクハラスケベオヤジって…。どの口が言ってんだか…」