陽のあたる場所へ
そうか…
私はこういう存在…
今まで、身体を繋ぎ合うのに、彼が自分の家を訪れることはおろか、ホテルに連れて行かれることさえなかったのだ。
ただ、喉が乾いて…
その渇きを即座に解消する為だけの存在。
手軽に求められ、渇きを潤し、用が済んだら何の迷いもなく捨てられる…。
いや、寧ろ簡単に捨てられる為にあるもの。
愛着を持たれることなど決してない。
家に帰れば、お気に入りのワイングラスやマグカップなどがあるのだ。
彼の渇きを潤すだけでなく、癒やしや喜びすら与える存在が…。
そして、使った後は、綺麗にして貰い、愛着を持って、大切に保管される。