陽のあたる場所へ
「…亮?…」
「うん!いや~何だか綺麗になったと言うか、大人になったと言うか、見付けた途端、沙織だ!と思ったものの、ちょっと自信なかった。
当然か…もう何年も経ってるんだもんな」
亮の屈託のないその笑顔に、沙織も、自然に何の気負いもなかった頃の気持ちに戻る。
「やだ、そんなお世辞言えるようになったの?亮も大人になったのね」
「嫌味言うなよ~。ところで、ホントに何年経ってるんだ?」
「え~と…五年?…かな?」
「そんなにか~」
「もうひと昔だよね?」
穏やかな空気が流れて、自然に笑い合っていた。