陽のあたる場所へ
龍司は、仕事にはとても厳しかった。
怒声が飛んでいることも、決して珍しくはない。
与えられた以上の仕事をテキパキとこなし、結果を出す社員には評価を惜しまない。
しかし、逆の場合は…悲惨な状況だ。
沙織は、その後者の方。
怒鳴られ、溜息をつかれ、逃げ出したい心境になることも度々あった。
どうしてなんだろう?
自分が仕事ができるタイプだと自信を持って言うつもりはないが、今までだって多少の波風はありながらも、何とかこなして来たし、評価して貰える事だってあった。
波長が合わないのだろうか…。
厳しい目で見られていると思うと、余計に気が焦り、ミスを生む。
悪循環が生じているのがわかっていても、何故だか空回りをしてしまうのだった。