陽のあたる場所へ


「あのさ…」

「…うん…」

「せっかく偶然会えたのに、立ち話も何だし…、良かったら食事でもする?」

「え…」

「あ、この後、予定があるとか、気がすすまないなら、断ってくれていいんだけど」


「あ、うん…もう帰るつもりだったから…いいよ」

正直、少し戸惑ったけど、胸を締め付けるような懐かしい想いに、沙織はそう答えていた。



「良かったー!今日もコンビニ飯かと、うんざりしてたからな~」

急に元気な声を張り上げた亮に、つい笑いが零れてしまう。

「私も。何も考えてなかったから、そうなってたかも」

「俺、今日休日なのに、急な仕事で駆り出されてたんだよ。昼飯もろくに食ってなくて、すっげぇ腹減ってんだ。じゃ、何かウマイ物でも食いに行こうぜ」

「賛成!」
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