陽のあたる場所へ
いつの間にか、まるで大学生の仲間だった頃と同じようなノリに戻った気持ちになり、沙織と亮は、店探しを始めた。
当時、何が好物だったとか、
苦手だった物は食べられるようになったのかとか、
だったら、あの店は却下だとか、
あの店は安い割りに美味しかったとか、
お互いの嗜好は熟知していたので、
ああでもない、こうでもない、と言いながら…。
結局、昔話に花が咲き、懐かしさのあまり、電車に乗って、大学近くのみんなでよく通った店まで来てしまった。
その頃、仲間だった友人の近況や、大学当時の笑い話とか、懐かしい話に話が咲いた。
今にして思えば、くだらないことばかりしてたような気がする。
けれど、そのくだらないことも、ひとつひとつが今は輝いて思い出せる。
こんなに笑ったのは久し振りだった。
そして目の前にいる亮の笑い顔も、自然に受け入れている。
そんな自分に気づき、不思議な感覚に陥る。