ずっと君を。




「え、言わなかったっけ? 前から行きたかったんだよね」


「知らねえよ。……ったく、早く言えよ」



急に焦った表情を見せたかと思うとすぐに苛立った様子に変わった。


……何で怒ってるの。



「だって、高校の話とかしたことないじゃん」



よく私の部屋に来てはいるけど、特にこれといった会話をすることなく2人でゴロゴロしていることが多い。


大方私は勉強しているけど。


私の目指す高校は県でもトップの公立高校。倍率も2倍近くあり、高校入試にしては高い。



「……俺帰る」


「うん。じゃあね」



———この時の私は何も知らなかった。


拓人がどれだけの覚悟と決意をしていたのかを。




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