絶対値のゆくえ
私立の受験がスタートする。
私は学校を休んで引っ越し先の街に行き、北高と同じレベルの私立高校を受けた。
新しい街で、高校生活をスタートさせるために。
そこは新幹線で何時間もかかる場所で。
前泊して、慣れない土地、知らない人たちの間、試験問題を解いた。
不合格だったら、引っ越しは無くなるかも。
頭のどこかではそう思っていたけど、
受験勉強の成果か、頭と手はどんどん動き、回答用紙をほとんど埋め尽くすことができた。
それが、悔しくて、悲しかった。
『ここ何日か休んでるけど、風邪? お見舞いいこーか?』
『大丈夫。お母さんも一緒に具合悪くなっちゃって、一緒におばーちゃんの家にいる』
『そっか無理すんなよー。本番まであと少し!』
『うん。よっくんこそ私のことはいいから、ちゃんと集中しなきゃだめだよ(* ̄0 ̄)/ふぁいと!』
嘘をつき続けたままの私は、君を応援することしかできなかった。