絶対値のゆくえ
君は結局、最後の最後、思うように成績が伸びなくて、
直前に、ワンランク下の南高に志望校変更をしていた。
そして、そこに無事、合格した。
悩みぬいたうえでの苦渋の決断だったらしいけど、
最後まで君の口からその詳細が語られることはなかった。
私も自分のことで精いっぱいで、君の現実に気が付くことができなかった。
『いずへ
たぶん最後まで言えないと思うからここに書いておく。
バカでごめん。格好悪くてごめん。
でも、大好きだった。
義隆より』