絶対値のゆくえ
「でも、よっくん変わったよねー。本気で北高狙ってんだ」
と友達はぼそりとつぶやき、ぽんっと私の頭に手を置いた。
「いずたそ効果だねー。あ、よっくんこっち見てるよ」
「え? あ、うん」
クラスメイトたちの隙間をぬって、私たちの目が合う。
シュートが決まっておめでとうの意味を込めて、拍手をしてあげた。
しかし、その瞬間、まわりの男子たちが君をからかい始めたらしく、目をそらされてしまった。
「あーいずたそにはもう春が来てんじゃん。思いっきり青いやつね。はいリア充おつ!」
「だからーまずは受験終わらせないとだしー!」