絶対値のゆくえ
「いずー。ご飯はー?」
「もうちょっとしたら食べるー」
君が頑張っている。
それだけで私も力がみなぎってくる。
絶対に、一緒に北高に行くんだ。
家に帰り、自分の部屋にこもって目の前の問題に集中する。
お母さんも協力的で、
お盆に乗せた晩御飯を部屋まで持って来てくれた。
「ご飯、持ってきたよ。ひと段落したら食べて」
「ありがとうー助かる」
「北高大丈夫そう?」
「うん。今のとこは」
「そう、よかったー。あ~最近、いずは勉強頑張ってて、パパも仕事すごい頑張ってるし。ママも習い事でも始めてみようかな~」
「あはは。それいいんじゃない?」
滑り止めの私立受験まで、あと1か月半。
そして公立である北高の入試までは、あと2か月半。