恋は盲目
私が告白をして2ヶ月が経ったときだった。

いつになく元気がなかった先輩に、私は気になって話しかけた。

『どうかしたんですか…?』

先輩は苦笑いを浮かべながら私に話してくれた。

『ちょっと美咲と喧嘩してな。別れそうなんだよ』

そういって大きな溜め息をついた。

私は、チャンスだと思った。

人の弱味につけこむなんて最低だと思うでしょう?
でももうこうするしか、私を見てもらえないと思ったの。

『私じゃ、駄目ですか』

私の声は震えていた。
先輩への想いが溢れそうで、唇をきゅっと噛んだ。

『一番じゃなくていいんです』

そう私は言った。

『二番でいいんです。先輩のそばにいさせてください』

本心から出た言葉だった。
嘘でも、何でもなく本当にそう思った。

ここから、私たちの秘密の関係は始まった。

< 5 / 16 >

この作品をシェア

pagetop