アラビアンナイトの王子様 〜冷酷上司の千夜一夜物語〜
桜田は窓に手をかけ、遥人に話しかける。
「おい、早く戻った方がいいぞ。
あれは相手が自分を見てないとわかると怒り出す女だからな。
梨花と揉めるな。
こっちの負担が大きくなる」
なに勝手なこと言ってんだ、この人。
相変わらずだな、と思ってその横顔を見ていた。
みんな、この顔にクラっと来るのか。
この勝手さにか、と思っていたとき、桜田は言った。
「それから、那智には手を出すな」
こらっ、なにを勝手にっ、と思う。
いや、手を出して欲しいわけではないのだが。
……本当に。
なんでお前が口を出す、と遥人は言ったようだった。
そりゃそうだ。
そのとき、桜田は、ふふん、と笑って言った。
「俺が那智の『パパ』だからだ」
「違うっ。
もう〜っ、返してっ」
と那智は、桜田から携帯を奪い取る。
彼に向かい、誰がパパですかっ、叫んだあとで、遥人に言った。
「専務、あとで、……あとで、説明しますからっ。
あっ、勝手に私のつぼ焼き食べないでっ」
「おい、早く戻った方がいいぞ。
あれは相手が自分を見てないとわかると怒り出す女だからな。
梨花と揉めるな。
こっちの負担が大きくなる」
なに勝手なこと言ってんだ、この人。
相変わらずだな、と思ってその横顔を見ていた。
みんな、この顔にクラっと来るのか。
この勝手さにか、と思っていたとき、桜田は言った。
「それから、那智には手を出すな」
こらっ、なにを勝手にっ、と思う。
いや、手を出して欲しいわけではないのだが。
……本当に。
なんでお前が口を出す、と遥人は言ったようだった。
そりゃそうだ。
そのとき、桜田は、ふふん、と笑って言った。
「俺が那智の『パパ』だからだ」
「違うっ。
もう〜っ、返してっ」
と那智は、桜田から携帯を奪い取る。
彼に向かい、誰がパパですかっ、叫んだあとで、遥人に言った。
「専務、あとで、……あとで、説明しますからっ。
あっ、勝手に私のつぼ焼き食べないでっ」