アラビアンナイトの王子様 〜冷酷上司の千夜一夜物語〜
はっきり行かない、と自分が言ったので、梨花は驚いた顔をした。
いつも適当に受け流すだけだからだ。
「ロシア料理って、なにがあるんだっけ?」
そう誤魔化すように言うと、
「さあ、知らないけど。
美味しいんじゃないかって、……人に聞いたから」
梨花は途中でなにかに気づいたように曖昧に答える。
笑顔を取り繕った梨花は、
「やっぱりやめときましょうか。
いつもの店にする?」
と言ってきた。
なるほど、あの男が言ってたんだな、と気がついた。
いっそ、行くと言ってやればよかった。
自分と那智とのことは桜田と亮太とかいう奴以外誰も知らないし。
桜田と鉢合わせて、気まずい思いをするのは梨花の方だ。
そう思ったとき、目の前をあの二人が通った。
大揉めに揉めている。
……何故、此処を通る。
いつも適当に受け流すだけだからだ。
「ロシア料理って、なにがあるんだっけ?」
そう誤魔化すように言うと、
「さあ、知らないけど。
美味しいんじゃないかって、……人に聞いたから」
梨花は途中でなにかに気づいたように曖昧に答える。
笑顔を取り繕った梨花は、
「やっぱりやめときましょうか。
いつもの店にする?」
と言ってきた。
なるほど、あの男が言ってたんだな、と気がついた。
いっそ、行くと言ってやればよかった。
自分と那智とのことは桜田と亮太とかいう奴以外誰も知らないし。
桜田と鉢合わせて、気まずい思いをするのは梨花の方だ。
そう思ったとき、目の前をあの二人が通った。
大揉めに揉めている。
……何故、此処を通る。