好きっぽい★
「消毒」


そう言って、チュッて軽いキス。


あたしは驚いて目をパチパチさせる。


「あ。お前、来る途中、カキ氷食った?」


うんとうなずくあたしに、カジ君はにっこり微笑んで、ペロリと唇を舐めた。


実はさっき、駄菓子屋さんを発見して、ひとりでカキ氷食べてきたんだよね。

もちろんあたしの大好きな……


「いちごミルク味だろっ! オレ、いちごミルク好き。お前いつもマシェリでカキ氷食ってたろ? あれ、めちゃくちゃうらやましかった」


「へ?」


あたしはポカンとした。

ひょっとして、以前マシェリでカジ君がストロベリーフラッペをじっと見ていたのは……やっぱり食べたかったからなの?


「だったら、注文すればいいのにー!」


「んなの、恥ずかしいだろ。みんなの前で『ストロベリーフラッペ』なんて言えるかっつの」


そういうもん?

男の人って大変だね。

食べたいものもプライドが邪魔して食べられないなんてさ。


だけど……。

「ぷっ……あはは」


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