好きっぽい★
この瞬間から、ホラー映画やオカルトとの格闘の日々が始まった。

だって会員規約の最初に書かれていたのは……

“オカルトをこよなく愛すること”って文章だったんだもん。

サークルを続けるためには、平気なフリするしかなかった。


カジ君と話したいがために、苦手なホラー映画をたくさん観た。

一人だと怖いから、ケイちゃんにも付き合ってもらったりして。
(ケイちゃんにとったら迷惑極まりない話……)


監督やキャストの名前まで暗記した。

それもこれも全部カジ君に近づきたいから……

ただそれだけだった。


だけど、ある日知ってしまったんだ。

カジ君に彼女がいることを。


その時点でちゃんと心の整理はできている。

手の届かない人だってわかってる。

カジ君の彼女になりたい……なんて、おこがましいこと考えてるわけじゃない。

気持ちを伝えるなんてとてもできない。


それでも、サークルを辞めることができないのは……

完全には拭い去ることのできない、あたしの未練。

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