好きっぽい★
――うそでしょ?
体がガクガクと震え出す。
「あの……ホントにいないんですか? お兄さん……」
ケイちゃんの声も震えていた。
「一昨年の夏にね。ちょうどこんな風に暑い日だったね……」
お母さんがしみじみと呟いた。
「ちょっと変わってたけど、良い人だったよな」
大野先輩も何かを懐かしむように言った。
「え? 大野先輩も知ってるんですか?」
ケイちゃんが問いかける。
「ああ。オレらのサークルの先輩だったからさ。つか、オカルト研究会は、もともとカジの兄貴が作ったんだよ」
「そうだったんですか……」
あたしはそう言うのが精一杯だった。