好きっぽい★
トンネルの中を歩きながら、なぜか、カジ君の部屋でされたキスのことを思い出していた。

結局、あのキスの謎は迷宮入りとなってしまった。

あの時、お兄さんは「幽霊の仕業だ…」みたいに言ってたけど……。

お兄さん自体が幽霊だったんだもん。

なんだかよくわかんない不思議な体験だったな。



でも、どうせならカジ君にキスされたかった……。


そう思った瞬間、あたしの足は止まっていた。


カジ君は不思議そうな顔をして振り返る。


「どした?」


「カジ君……」


「ん?」






「キスして?」
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