続・生きる。


「これは俺から。」


「まだあるの?もらってばっかだね。

開けていい?」


「おう。」


私は包みを開けた。


「これ…」


中には紺色の箱が入ってた。


こんなの、開けなくてもわかるよ…


「貸して。」


その箱は湊にとられてしまった。


箱からハートが三連になっている指輪を取りだし

私の右薬指にはめた。


「指輪はあげるけど、これは由茉をもらう

っていう証だから。

結局は俺がもらうんだけどな。

外すなよ?」


指輪は私の薬指にぴったりだった。


「俺から離れるなよ…いなくなるなよ?」


それはきっと、

美波が自分の前からいなくなってしまったから。

湊は不安なんだろう。


「私はずっといるよ。一緒にいる。

いなくならないよ。」


私は強く強く抱き締められた。


「ありがと…だいすき。」


私はまた泣いてしまった。


「はは、また泣いちゃった。

泣かされたばっかりだぁ。」


「由茉。」


私を呼ぶ湊。


そして降りてくるキス。


それはとても愛しくて…甘いものだった。
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