続・生きる。



「湊、お前が美波さんと付き合ってると言ったとき

父さん言ったよな。

お前には決まった女がいるって。

でもその子がいいなら好きにしろって。

その決まった女ってのが由茉さんだ。」


「「えぇ!?」」


私たちはハモった。


「由茉さんのお父さん、輝とは

中学のときからの友達でな。

俺たちで如月を作ったんだ。

しばらくして輝は由子と結婚して

俺も母さんと結婚した。

そして二人は同じ年に生まれたんだ。

でも由茉さんは心臓が悪くてな。

生まれてすぐ言われたんだ。

15歳までは生きられないと。

輝と由子はすごく落ち込んでてな。

だから俺が言ったんだ。

由茉ちゃんが18歳になっても元気だったら

湊と結婚させようって。

だから俺たちはなにも言わずに

18歳になるのを待ったんだ。」


湊のお父さんが説明してくれた。

そして次は私のお父さんが話し出した。


「由茉の医療費を援助してくれてたのが

慎一…湊くんのお父さんだ。

由茉の手術が成功して回復して

由茉が日本に戻ってきた時、

俺らは再会した。

それから俺らは仕事の提携を結んでいる。

俺は慎一の下で今働いている。

所謂、子会社ってとこだな。

俺と慎一は由茉と湊くんを会わせようとした。

そんな時に聞いたんだ。

由茉が如月の姫になったって。

湊くんが率いる如月の姫になったって。

俺が由茉に話そうとしたとき

一輝に止められてな。

二人は今お互いを想い合ってる。

もう少ししたら付き合うからなにも言うなって。

それが去年のクリスマス。

あれには本当にビックリしてな。

それから俺と慎一は二人が付き合うのを待ったんだ。」


お父さんのあと、湊のお父さんが

また話しはじめた。


「湊から、三浦由茉ということ付き合ってる。

と聞いたときは本当に驚いたな。

俺らはなにもしてないのに本当にくっつくなんてな。」


「なぁ、由茉。

俺と慎一の約束、叶えてくれるか?」


「え?」


それって…


「すみません、輝さん。

それは俺と由茉が決めることです。

それは俺と由茉のタイミングで決めます。

なので、待っていてください。」

湊…


「そうか、わかったよ、湊。

由茉さんのこと大事にしろよ。

この子はずっと一人で戦ってきたんだ。

もう、一人にするなよ。」


「あぁ、もちろん。

言われなくても。」


湊のお父さんの言葉に

湊が答えた。

< 308 / 953 >

この作品をシェア

pagetop