続・生きる。
「俺は湊に負けたわけじゃない。
っていうか、負けたのは先代だし。
俺じゃないんだよね。
だから俺は元の位置に戻そうとしてるだけ。」
「あー、なるほどね。」
「え、納得しちゃうんだ。」
「うん。言ってることはわかる。
でも湊は負けないよ。
っていうか、私を利用した時点で
もう負けてるんじゃない?」
「気になったからね。
如月の姫が。
如月の幹部が気に入った女がどんな女か。
見た目は可愛いけどそれだけじゃだめだし。
でも話してみてなんとなくわかったよ。
君の良さが。」
「そう、ありがと。」
「…余裕なんだね?」
「そんなことないよ。
でも信じるしかないじゃない。
女の私にはなにもできない。」
「そっか。
あ、お腹すいてるでしょ。
ご飯食べる?」
「え…」
「大丈夫、なんにも入れてないから。
俺も食べるし。持ってくるから待ってて。」
龍は出ていった。
……なんか拍子抜け…。