続・生きる。
「由茉は1つしか出ないの?」
爽が聞いてきた。
「うん。
自分がどこまでできるかわからないし。
体力的な問題で…だけどね?
日本の気候にも慣れなきゃだし。」
「無理は禁物ってとこか?」
颯が言った。
「そうだね。」
「心臓移植って…みんなけっこう助かるの?」
爽が遠慮がちに聞いてきた。
「うーん、
病気と進行情況によるんじゃないかな?
私が入院してたところは重度の子が多いから
助からない子の方が多い。
でも日本だったり、他のとかなら助かるかな。
そこまで大変じゃないって感じ。
日本でできるならほぼ助かるよ。
ドナーが見つかればだけどね。
だから私はどちらかと言えばレアなケース。
まあ私もよくわかんない。
その人の免疫にもよるしね。
インフルエンザだって軽く済む人もいれば
死んじゃう人だっているし…
そういうのと似てるんじゃない?」
「…ふーん?
由茉はもう普通に過ごせるんだよね?」
「うん、私はもう平気。
ただ手術して1年以内に死んじゃう人
10年以内にってのがあるから
私は次の目標はとりあえず10年かな?
でも定期検診ではなんにも言われないよ。
どこも異常なし。
だから安心していいって。」
「ならよかった。」
爽が笑顔で答えた。