続・生きる。


「悪いな、今日いけなくて。」


「ううん、いいよ。」


「……美波は俺の幼馴染みなんだ。

美波は強くて明るくて

湊と付き合ってからは湊一筋だった。

本当に仲がよかったんだ。

でも美波は突然俺らの前から消えた。

湊は荒れて、一輝さん…由茉の兄貴に拾われて

それで俺らは暴走族へ入った。

俺ら5人はそこから一気に仲良くなったんだ。

一輝さんに湊は救われた。

そんなときに由茉が来たんだ。

神林美波を知ってますかって。

俺らのことビビってたのに

諦めないでついてきてな。

それに心が折れたのが純。

由茉は美波から手紙と写真を預かってて

それを湊に渡しに来たんだ。

その手紙になんて書いてあったか知らねーけど

そんな由茉のことを放っとけなくて

湊が由茉を俺らの仲間にしたんだ。

由茉は美波のためにって俺らといた。

由茉は命を落とす病気で命を諦めてた。

そこに美波が来たらしくて

美波がいなくなって命のありがたみや儚さを

経験をもって知ったんだ。

だから由茉は強いんだ。

辛いことがあっても

今日を生きたかったのに

生きることができなかった子の方がもっと辛い

そう言うんだよ。

俺らは由茉を守ると決めたのに守られてばっかで

由茉は俺を庇って女にナイフで刺されたんだ。

俺が女と遊んでばっかいたのが悪いのに。

そんで俺に言ったんだ。

自分の命を大切にしてって約束したでしょって。

自分は刺されてるくせによ。

由茉は俺らをいつでも全力で守ってくれる。

美波と約束したからって。

だから俺らは由茉と一緒にいる。

俺らが由茉を守るんだって決めてな。」


< 752 / 953 >

この作品をシェア

pagetop