伝説の女~元No.1ホスト
「アキ…興味あるのか?珍しく食いつくな」と言う武信。

武信はアキ君のこと、ホントによく見てるんだな…。

「アキ君は大丈夫だと思うけど…武信、あなたは覚悟しなさい。蒼介あなたのこと、毛嫌いしてるから」と私が言うと、

「そうっすね。ライバルだもんなぁ~」ってなんか軽い…。

「それだけじゃなくて…何日か前に私にキスしたことをいってんの!!」と私が言うと、

「うっ、そっちすか?」と武信は言った。

大丈夫かなぁ…蒼介、

武信をいびったりしないかな…

「もちろん、俺の味方してくれるんでしょ?」と笑顔で言ってくる武信。

えっ?何で…?

私が武信の味方?する必要なくね?

「…蒼介さん、俺いびりだすかもしれないじゃん!!」と武信は言った。

まぁ…ねぇ、けど、いびられたらいいんじゃね?

私にキスしたんだし…それくらい受けてもバチにはならんよ?

「受けて欲しいの…?」と武信は上目遣いで聞いてくる。

そりぁね…多少は…蒼介の苦しみも味わうべきでしょ!

「…俺、オーナー守ります!」とアキ君は言った。

なぁんだ。この愛されオーナー、

くぅ~羨ましすぎるぜ…

「大丈夫だよん。俺はそんなに弱くないから…」と武信はアキ君に笑顔を見せた。

私は軽く舌打ちした。

「いちゃつくな、この、バカップル!!」と私が言えば、顔を真っ赤にしてるアキ君。

「バカップル言うな!バカじゃないし、まだ付き合ってない」と武信が訂正をする。

そこかーい思わずそうツッコミたくなる。

まぁ、いい。

私はタバコを取り出してくわえる。

ライターを探すが…見当たらない!?

あっ、部屋か?

そのとき、スッとライターが出され、火をつけてくれた。

見れば、武信だった。

やっぱり覚えてたのね、ちゃんと…。

そう、私はとこでもタバコ吸っちゃう悪い癖がある。

いつも飛鳥が火をつけてくれるから、当たり前になってて、持ってなくてもなんとも思わなかった。

けど、改めて、飛鳥がいないと私はタバコも吸えないのか…そう思う。

「オーナー、ライター持ってないの?」と武信は聞いてきた。

「部屋にはあると思うんだけど…だいたい飛鳥がつけてくれるからうっかりしてたのよ!」と私はタバコをふかしながら言った。

「…相変わらずですね。飛鳥さん」と武信は言う。

「えぇ、ホントに…。出来すぎるから私が困るわ…。あんな子が彼氏になってくれたら、私少しは変わると思うのよ?あっ、いや、何も出来なくなるかしらね?」と私が笑えば、

「だから俺がベストでしょ!」と武信は言った。

目的はなんなの?私を落としたいワケ…?

それともホントに何も考えてなくて、思ったことを口にしてるだけ?

はぁぁ、何で武信は気持ちはわからないんだろう…

私はやっぱり武信のことが好きだから?

ねぇ、誰か教えてよ…私の気持ち…

「飛鳥さんって…?」とアキ君。

この子人見知り激しいって言ってたよね?

ここ数日で私のことは慣れたってこと?

それとも…武信の知り合いだから気を許せるってこと?

どっちにしろ、アキ君が私に馴染んで相手してくれるのは嬉しいこと…。

「オーナー補佐してるんだけど、私の弟よ」と私が言うと、納得したのかなるほどとアキ君は頷いた。

「女の人と話すの慣れてないって言ってた割には随分積極的に私には話しかけてくれるんだね?」と私が笑うと、

「…だから…です」とアキ君は言った。

ってそこしか私は聞き取れなかったんだけど。

「なぁ~に?」と優しく聞けば、

「オーナーの大切な人だからです」とアキ君は答えた。

ータイセツナヒトー

どーゆうことだ?

「ずっと、オーナーは瑞希さんの話しててどんな人か、会う前から凄く興味あって…今回は会えるってことでスッゴく楽しみにしてたんです…」とアキ君は言った。

なにこの子、可愛すぎるんだけど!!

「そうなんだ。ありがとう」と私は笑った。

「どんなことを言われてたんだろう…?私の武勇伝でも語ってくれてたのかな?」と私が言えば、

「…武勇伝なんて優しいものじゃないです!!」とアキ君は言って口元を抑えた。

「へぇ、武信…あなた、私のこと何をもってそんなこと言ってるの?」と私が言うと、武信は無言で笑いながら逃げようとした。

待ちなさいー私から逃げれると思うな!

私が口角あげて笑うと、「すごい方だと言うお話をたくさん聞いただけですよー」とアキ君は言った。

フォローしてるつもりか?

いや、まぁ、いい。

「覚悟はしといてね?」と言っといた。

武信は顔をひきつらせている。

「そろそろ、戻ります!」と武信は言ってアキ君と出ていってしまった。

時間はあっという間に過ぎて…早いもので、数時間はあっさり経っていた。

何にもする気が無くなった私はベットに倒れこんだ。

最近の疲れが、ドッと出てるような気がした。

それでもやっぱり気になるのは、クラブのことで頭から離れない。

飛鳥と龍がいるから心配ないと自分に言い聞かせるけど…やっぱり気になる。

けど、私はここにいる以上、悔いのない講師を努めたい。そのためにそんなこと言ってらないのだ。

私は起き上がると、パソコンを出してイスに座った。

タバコをくわえて、火をつける。そしてパソコンのキーボードを叩いた。






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