伝説の女~元No.1ホスト
私はパソコンは苦手だ。

けど、資料とかは作らなければいけない。

私はキーボードを叩き続けた。

しばらくして、ドンドンドンとドアを叩く大きな音が聞こえた。

んだよ、っせーなと思いながらドアの前に立つ。

あっ、徹ね…。私は覗き穴から徹を確認してドアを開けた。

鍵は?と聞くと、持っていくの忘れたって…。

はあぁ?邪魔しやがって…。私は舌打ちした。

「…資料作っての?」と聞いてくる。

「まぁね。けど、中々終わんなくて…量が膨大なんだよ!」と私は叫ぶように言った。

「俺作るから、休んでなよ?俺はお前の補佐なんだからそれくらいするよ」と徹は言ってくれた。

私はそんな徹に思いきり甘えて、ベットに寝転んだ。

そしたら…「タバコ…火消せよ」と言われて慌てて私は火を消した。

はあぁ…思わずため息が出ちゃう。皆のこと気になるし…早く帰りたいし…

私は少し寝ようかと思い、目をつぶった。

しばらくすると、真上に気配を感じた。

目をうっすら開けてみる。って…徹 !?

なんか重いと思ったけど…って、そうじゃなくて…寝込み襲ってる!?

「おはよ。起きた?」と上から見下ろしてくる徹。

「うーん?おはよ。今何時…?」と私が聞くと、「3時?」と疑問系で返ってきた。

嘘…!?もうそんな時間?

寝すぎた…。

「大丈夫だよ!疲れてんだからゆっくりしてな」と優しく微笑んでくれた徹は私から離れてくれた。

私は起き上がれず、そのまま徹の言葉に甘えたんだけど…よく考えれば、私ここ来てからずっと室内に籠ってる気がする。

せっかく来たのだからサイクリングや山登りなど、アクティブなことをしようと思ってたのに…。

こんなんじゃ体はなまっていく一方だわ。

体力も落ちてきてる気がするし…

明日こそは、外に出よう!私はそう決めて、もう一度目をつぶった。

で、結局私が目を覚ましたのは朝だった。今日は徹より早く起きた。

と言うより…早くに寝すぎて目が覚めただけなのだが。

シャワーを浴びた。

準備した。そして徹を起こした。

徹はごねることもなく、すぐに準備を始めた。

徹の準備を終えるのを待って私たちは部屋を出た。

朝食を食べるために…。

「今日の予定は?」と私は歩きながら聞く。

横を歩く徹は、「…何もないよ」と答えた。
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