伝説の女～元No.1ホスト

「いきなりごめんなさいね？」とその女性は言うと、私の診断を始めた。

「知り合いの女医なんだ」と徹が説明？してくれて、何となく納得…

私はそのまま診断を受けた。

「男性陣は少し席を外してくださる？」とその女性は言った。

「ムリしすぎなんじゃない？過労ね」と言われたー

私がー？！人のこと心配する前に自分の体調心配しろってこと？

はぁ、情けないわね…私。

「まあ、少し休みなさい。まだ若いんだから、すぐ良くなるわよ！」と言われてしまった。

落ち込んでる私を見て、「何かあったらいつでも連絡しなさい」そう言って名刺を渡すと、部屋を出ていった。

すぐ後で、徹が入ってきた。

「大丈夫か」って。

「今日は休もう？」と言われて私は頷いた。

アキ君はそばにいてくれる。翔さんや、武信も。

けど…情けなくて涙が溢れてきた。

みんなに体は資本だから大事にしなさいと口を開けば言ってきた。

なのに、そんな私が倒れるなんて。

不覚だわ。自分を呪いたい。ダメね。人のこと言う前に自分の管理をしないと。

そう思うと涙は止まってくれない。

ベットに座ったまま号泣。

そんな私を抱き締めてくれたのは翔さんだった。

徹は何も言わず出ていってしまった。

武信は言葉を失っている。

アキ君は…どうしていいか、わからないと言うような困り顔をしている。

「大丈夫です。気持ちお察しします。涙は見ませんので思い切り涙流してください」私にそう声をかけ、優しく背中をさすってくれた翔さん。

一番私のことを知らないはずの彼が一番、私が今求めてる対応をしてくれた。

その事に驚きながらも、今はそばにいてほしい改めてそう思った。

初めて見た弱い私の涙に驚いている武信は私をただ呆然と見ているだけだった。

アキ君その横で武信を支えている。

しばらくしてやっと私の涙は止まってくれた。

「ごめんなさいね？ダサいところを見せてしまって…」と私は謝った。

「いえ、大丈夫ですよ？少し驚きましたが」と言ってくれるアキ君。

「あの強いオーナーの涙初めて見た気がします」と武信は言う。

そして、翔さんは「情けないと思われたのでしょう？ですが、情けなくなんてありませんよ！むしろ、立派です。憧れます‼」と言ってくれた。

皆ほんとにいい人たち。

私はほんとに恵まれてるわね。ここで出会う多くの人たち、そして、うちで働くスタッフ達。

私の原動力はここにあるのだと改めて思った。

しばらくして、アキ君と武信は帰っていった。

翔さんと二人きりになってしまい、ドキドキしている私。

「過労だなんて…毎日頑張り過ぎなんですよ！無理なさらずに。あなたのような立派なオーナーなら、皆ついてくるでしょう？けど…頑張れば頑張るほど、スタッフも負けじと食らいついてくる。だからスタッフだって倒れたりなさるんですよ。まずはあなたから！」と優しく翔さんは言ってくれた。

その通りだと思うわ。私はありがとうとお礼を言った。

けどまさか、講師する側の私がそんなこと言われるなんて。

ほんとに悔しくてならないわ。

その日、徹は部屋に戻って来てくれなかった。

そして、その代わりに翔さんがそばにいてくれた。

二人で過ごす夜は楽しくてドキドキしっぱなしだった。

翌朝ー

翔さんは一言声をかけると、自分の部屋に戻って行った。

それと同時くらいに、徹が戻ってきた。

すでにビジネススイッチを入れてきている。

「講師、調子はいかがですか？今日も忙しいので準備お願いします！」なんて。

まあ、するわよ！準備。