伝説の女~元No.1ホスト
「何で昨日は戻って来なかったのよ!」と私は言ってみる。

昨日のせいで予定が少し狂ってしまったのだ。

調整をしなければいけないのに!

「ご心配なく。昨日の埋め合わせは出来るよう、調整しときました」だって。

どーゆうこと?

「さぁ、早く朝食食べに行きましょ?」と言われて、私達は準備を終えて、部屋を出た。

朝食を食べるため訪れた、ビュッフェには沢山の人が来ていた。

いつもは出逢わないのに?

「はーい。皆さん注目!」って、徹あんた、なにしてんのよ?

「食べながらって行儀悪いですが…。昨日講師が倒れられました。なので昨日の分は出来ていません。ですが、あの部屋に2チーム入れるのは人数的にきついかと。そこでここなら入れると言うことで、私が一人ずつ、声をかけに回りまして、こういうスタイルなりました。怒らず許してください」と徹は頭を下げてきた。

確かに、私の講義時間ならこれくらいで充分かもしれないわね。

って感心してる場合じゃないわ?

一人ずつに声をかけに回った?だから帰って来なかったの?

なんかすごく申し訳なくなってしまった。

けど…さすが徹だわ。なんと言う考え方。

「せっかくの徹の案を無下にするわけにもいきませんから、皆さん、準備のほどはよろしいですか?今から講義を始めさせていただきます」私はそう言うしかなかった。

盛大な拍手で受け入れてもらった。

講義中の食事は禁止ということで、一応皆には食べるのをやめてもらった。

さっさと講義を始めた私。今日は少し早めに終わろうと思う。

かといっててきとーにするわけにはいかないので真面目に頑張った。

何とか無事講義が終わり、皆が戻ってくのを見送った。

ふう、私は1つ息を吐いた。そして、教材を片付けて帰ろうとしたんだけど…

立ちくらみを起こした。

「大丈夫かよ!病み上がり」と徹は言いながら私を支えてくれた。

反抗する労力を残してない私は力なく笑う。

「今日はこのまま部屋に戻って休むわね」と私が言うと、

「そうしろ。部屋まで送る」と徹は言って部屋まで送ってくれた。
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