Snow Of Lieースノー・オブ・ライー


「・・・・・・あ」



左隣の頭上で、亜樹が小さく声を上げた。


そして、クイと腕を引かれる。


・・・・・・ハッと思わず息を呑んだ。


可笑しくなりそうだった。息が出来なくなりそうな位。


ここがどこか分からなくなる位、回りの音も何も分からなくなった。



「颯、メリークリスマス!!」



そうはしゃぐ小さな可愛らしい女の子の隣で――――彼は、颯は。


私に別れを告げた、その同じ声のままで



「メリークリスマス」



私の知らない顔をして、声を立てて笑った。


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